web2.0的社会に期待していること(4)

自己組織化というものについて


「自己組織化」という現象も、自分にとって重要なキーワードの一つだ。


僕の大学院の研究分野は組織工学だった。
組織工学といっても色々あるのだが、僕がやっていて
いまも興味を持っているのが、ばらばらになった細胞が
組織(血管だとか内蔵だとかそういった器官)を形成していくという現象だ。


受精がおきて胎児が形成される、
というのがどれだけ不思議なことか、
実感できる人はほとんどいないと思う。


僕のやっていたのはばらばらになった細胞から
血管をつくったり(つくろうとしたり)、肝臓をつくろうとする研究だった。
不思議なことだらけで、生命の神秘の一部もわかっていないのだけど、
その過程は結構たくさんみてきた。


1コ1コの細胞は、丸い粒だ。
それが何をきっかけにあつまって、あんな複雑な形を形成するのか。


この辺が、まさに複雑系・自己組織化・創発といった現象なのだ。
そして、Web2.0的な世界で、
世界中にある1コ1コの脳(考え、ミーム)も、
ネットという空間のなかでなんらかの創発・自己組織化を起こすと妄想している。


組織工学的見地からいうと、そこで一番重要なのは「場」だ。


自分の感覚が錆びないうちに、細胞の自己組織化についてもまとめておこうと思う。