普通の人の仕事術


「普通の人」の仕事術をインタビューして、写真を撮って、記事にする。
日本にいっぱいある普通の会社の普通の人の特集記事。
それで1つのサイトをつくったら面白いんじゃないかなと思う。




モモを読んだ後に、いくつかのことが心に刺さっていた。
時間の大切さだったり倹約だったりのところは
以前から考えていたところなので、そうではない部分。

けれどもそんなフージー氏にも、なにもかもがつまらなく思えるときがあります。

そういうことは、だれにでもあるものです。


「日頃の生活」「日頃の仕事」がつまらなく思える一瞬は誰にでもあるという。
これは最近の転職ブームの1つの引き金にもなっているように思う。


自分自身、転職しようという意思はあるのだけど、
そういう意思があるからか、「はたらくこと」について最近よく考える。


このフージー氏のような、
現在の職業にも職場にもある程度以上の結果を出せている人が、
ふと感じてしまうような倦怠感的なものはなんなのか。


別に終身雇用制賛成というわけでは全くないのだが、
現状に満足せずに、あくせくと別の見えない何かを求めてしまうことから倦怠感は
どうにもできないものかと思った。



(自分に置き換えて考えてみても)普通の人間は、
やはり未知の華やかな世界に憧れるもの。
今の世界では、それはおもに各種メディアで取り上げらているような成功譚なのではないかなと。


だったら、その欲を満たしてあげれば
不必要な転職は減るのではないかなと、ふと思った。
仕事生活においての日常に、ほんの少し非日常を与えてあげればいいのではないかと。



僕の会社では、メール形式の社内報がある。
その中で毎週「私の仕事術」という連載があり、
毎週1人ずつ、社員が自分の仕事術をインタビュー形式で書いている。


僕はまだ書き手側になったことはないけれど、この連載は結構好きだ。
別にエライ人が書いているだけではなくって、
入社2年目くらいの人にバトンが回ってくる場合もある(「笑っていいとも」のような指名制)。


へー、あの人ってこんなこと考えてるんだ、とか。
自分の知っている人も、ちょっとした「メディア」に載るだけで印象が変わって見えるものだ。


多分、書いている方も(みんなが見る手前)
ちょっと頑張っていいこと書いたりするのだろうけど、
いざ書いてしまったら、それなりに頑張らないとなという気分にもなろうと思う。



この仕組みを、世の中の会社にむけて、ビジネスとしてやっていけるんじゃないかなと、
ふと思った。


各社週に1回でも、月に1回でもいいけど、
誰か一人(なるべくフツウの中堅社員。ちょっと会社に飽きてるんじゃないか世代)に
インタビューして、写真とって、それを1つのインタビュー記事としてウェブに載せる。
それだけ。


よく企業HPで「社員紹介」みたいなことをやっているやつ。
あれは主に企業のHPで、その企業に興味のある人に対しての広告。
今回のターゲットは、外もあるけど、実はその企業に勤めている人向け。


お金を払ってもらうお客さんは、取材者の所属している会社。
取材料と、ウェブ記事に載せる費用くらい。


ウェブに公開しちゃえばそれほど機密的なことは話せないので、
やっぱり仕事術とか、休日のリラックス法とか、そういうライトな内容になるかな。


効果は、取材を受けた社員(とその周りの人々の)モチベーションアップ。
ある企業の「ウェブサイトに自分のインタビュー記事が公開される」というのは、
くすぐったいけど、それなりに日々の仕事に対する自尊心を満たせるくらいの
ちょっとした刺激になるのではないかなと。
周りの人たちも、自分の仲間が載ったりとかしたんだからと、
「次は自分かもしれない」とか思って、その時に何かいいこと話せるようにと
日々の仕事に少しでもハリが出るかもしれない。


企業としても、ちょっとした広告になるから、
少しくらいの広告費用は取れるかもしれない。


で、そんなフツーの人の取材なんて誰が見るんだよという話もあるけど、
ニコニコ動画を1年間見続けた感想としては、
世のなかにはテレビや雑誌にでなくても、
スゲー才能を持った無名の逸材が思ったよりたくさんいるということ。
引き出し方次第かもしれないけど、
結構 おもしろい、有益な記事がポツポツ出てくるように思う。



これは「web2.0」が自己参加型だとすると、
他者推薦参加型(?)なので「web1.5」くらい。(^^;
これまでだったらメディアに載ることがないような人に光を当てるという意味で、+0.5。



フツウの転職サイトの社員紹介集となんら変わりがないのだけど、
目的を「転職をさせること」ではなくって「転職をさせないこと(今の仕事にやりがいを見出してもらう)」
という真逆の方に置いた感じかな。
なので見せ方とかは大いに変える余地はあるのだけど。
(ニコニコのようにコメントとか書きやすいようにしたらとか思うけど、
あれはニコニコに参加しているユーザーが十二分にウェブに浸った人たちだから
成り立っている話であって、普通の人たちには無理だろうなぁと思った。
ニコニコ市場が収益出始めたみたいだけど、
そういう2ch文化の人たちの財布を正確に狙えていて、
ビジネスモデル的によくできてんなぁと思う。)



人材紹介業がどんどん過当競争になっていくようなので、
どこかが先んじて「会社の人を辞めさせないサービス」を始めたら結構 面白いんじゃないかなぁ
という妄想です。
すでにイロイロなノウハウを持っている人材紹介業者がやるべきだと思うけど、
どこも(目的が真逆なので)やりづらいのだったら、新規参入の余地もあるんじゃないかなー。


というか、そういうサイトを見てみたいと思う。


なんにせよ、それで働く人たちが幸せになったら素晴らしいなぁと思いつつ、
「はたらくこと」に悩む今の時代には、
「仕事」に対するサービスというのがこれからドンドン出てくるように思う。