「場(BA)」って


会社のとても仲のよい同期が辞めてしまう。
そのこと自体はここで触れる内容ではないので、
それをきっかけにして思ったことを。


彼が辞めてしまう一番の痛手は、今の会社に僕がいることの意義(魅力)が
半減してしまうということ。


と、いうことはこれまで会社に魅力を感じていたのは
「場」としてだと思っていたのだが、
その「場」というやつは「人」によるところが大きいということか!と気づく。



以前、ナレッジマネジメント学会に行った時に
「場」は、英語で言うと"BA"で、学術的な研究対象であるということを聞いた。

どんな「場」が魅力的なのか?
人は何人くらいで、ピラミッド構成は1:3のフラクタルな感じで、
とか、項目やカテゴリ分けなんかは色々とあげられるように思う。


だが、知識労働者の生産性を高めるための「場」ということになると、
結局のところ、最後は当事者たちがどのように感じるのか、という
「人まかせ」な結論になるんじゃないか。
それではなかなか定量的というか、客観的な論じ方、組織デザインはできない。。



ちょっと切り口を変えて、
その「場」に属している皆にとって魅力的な「場」は、どんなものか
ということで考えてみる。



何を持って「いい場」とするのか、「魅力的な場」==「生産性の高い場」なのか
という命題は、今日は置いておく(スタートが「魅力的な場って?」だからね)。



さて、皆にとって魅力的な場というのは、
所属している人が同じように「いい。。。」感じる場ということであろう。


僕が「ここ、いいな。。。」と写真とかブログとかだけを見てミーハーに思うのは、
はてなとかUIEvolution Japanとか、Googleとか。
ああいう雰囲気。
研究室の延長線上にあるというか、遊び心を持った職場というか。
遊びと仕事が等価であるというか。


いま挙げた3つは、そうなるような工夫がされているな、というように思うのだ。



でも、実際は特に意識なんてしていないと思う。
だってうちの会社だって、「遊びと仕事が等価であるというか。」という思想は一緒だし。


すると違うのは、その場に対して一番影響力の大きい「人」の思想なんだと思う。
なんだかんだ言って、職場の雰囲気って
社長だったり部長だったり課長だったり、
その場のトップが気に入るような環境にならざるを得ないように思う。


「変えましょう!」と下から進言するのはとても大事だけど、
それで変わる組織もあれば変わらない組織もある。
その変わるか変わらないかという判断も、結局はトップがするわけだし。


トップだったり主要メンバーの統一した思想というのが
そのまま「居心地のよさ」に反映する。


実は、これでやっとスタート時の仮説に戻ってきた。


「場」が大事なんじゃなくって、「人」が大事ということ。
建物をつくったり、内装を凝ってみたりするのは2番目なのかなと
(別に今の会社に対しての不満ではないですが!)。


皆が同じような嗜好だったり、マインドだったりを持っているというか
同じ方向を向いているというのが、やはり魅力的な「場」(組織)なのかなぁ。


攻殻機動隊タチコマみたいに、
意識(記憶?)の並列化(共有の強いやつというイメージ)が出来ればいいのかもしれない。
それを生身の人間に行うのは、洗脳ともいうのかもしれないが。


そうでないとすれば、
ビジョナリー・カンパニー2にあったように、

適切な人をバスに乗せ、不適格な人をバスから降ろし、その後にどこに行くかを決めること

というこのやり方が確実なのかもしれない。
でも、これってある程度小規模な組織限定なやり方だ。
10人、20人が限度じゃなかろうか。



と、すると大規模な組織でこれを満たすのは
トップの思想(嗜好)にどれだけ人が共感するか、ということにかかってくるのかなぁ。


僕は組織は小さい方がいいと思っている派だが、
これを書きながら大規模組織への適用をずっと考えていた。


それはなんでかというと、
Web2.0的なコミュニティサイト(というのかな?)がユーザーをどれだけ集められるか、
これって今の話がそのまま適用できると思っている。


GREEMixiの違い、っていうと分かりやすいだろうか。
本質的には同じサービスだけども、
ユーザーは結構嗜好が分かれてたりする、みたいな。


ネットがどんどんユーザー参加型になっていくと
ユーザーも知識労働者とみなせるわけで、そこで如何なるUserExperienceを提供できるかは
「人」の思想によってくるのかなと。





「自分はこんな「場」が好きです」
みたいなことを履歴書に書かせてみたら面白い。