心配り

先日、Amazonマーケットプレイスで本を買った。
ハーバードの挑戦―数字万能経営を超えて


何日かして、本が送られてきたのだが
包装をあけてビックリした。

本のカバーに、白いパラフィン紙でさらにカバーがつけられていたのだ。
一瞬、もともとこういう包装がされている本なのかと思ったが、
そんなことはないようだ。
カバーの端などを見ていて、手作りの仕事であることが伝わってきた。


本を売ってくれた送り主が、包装をしてくれたのだろう。
パラフィン紙の手触りから、小さいころの記憶が蘇ってきた。

祖父の家にあった本には、このパラフィン紙がついていたのだ。
幼稚園、小学校の頃は、隣に住んでいた祖父のところによく遊びに行って、
博学で、何でも知っている祖父から話を聞いたり、
本棚にある難しそうな本の表紙を眺めたりして、
いろいろな知的好奇心を満たしてもらっていた。


最近まで自分では忘れていたのだが、
小学校低学年のころに、
ギリシャ神話や仏教の「神様」の造形に強い興味を持っていた時期があった。
たしかドラクエとか、そういった影響程度だったと思うのだが、
その話を聞いた祖父は、
何十、何百という仏教の神様のイラストとその解説が載った古い本を
僕に貸してくれたのだった。
僕は夢中でその本を読んだ。
子供だったので、そういった神様の名前と造形のかっこよさにしか興味がなかったし、
今ではもうまったく覚えていないのだが、
その本には、白いパラフィン紙のカバーがついていたのだ。


Amazonから届いた封筒を開けて、
本を取り出してた時にm
その時に感じたあの高揚感や、大人の本を手にしたというような背伸び感
なんかがまざまざと思い出されてきた・



Amazonがこんなことまで意図して
マーケットプレイスという仕組みをつくったのかはわからないが
(少しそんな気もしているが)、
ネット世界で、日常のリアルの生活からは味わえなかった
感性が味わえたことが新鮮で、少しうれしくなった。