SICKO

これを観て泣くとは全く思っていなかった。


マイケルムーアの作品は好きなので、
また、学生時代にバイオ系で巨大医薬品業界が抱えている矛盾、問題やらにも興味があったので、
今回も楽しみにして観にいった。



アメリカの抱える矛盾というものが、
これでもかというほどに強調されていて、強いメッセージがバンバン伝わってくる。
ドキュメンタリーは製作者のメッセージを伝えるために、
事実をつなぎ合わせてつくられた一つのストーリーだということがよく分かるし、
それは、とても大事なことだと思う。


マイケルムーアのメッセージは、
華氏911の時から変わっていないのかもしれないけれど、
「今のアメリカにはこんなに大きな矛盾がある。
それを変えるために、消費者であり、国民である一人一人が少しでもいいから行動を起こそう」
みたいなこと。


世界を変えるのはスーパーマンではなく、一人一人では力のない群集なのだ。
インターネットの時代に入って、
それがより現実的なものになっている。
マイケルムーアは、いかにそれを起爆させるか、
そこに集中しているところもよい。(彼自身が政党とかを起こしていないところ)


静かな革命を観ることができる映画だと思う。


(※ちなみに泣いたのはこういうメッセージとかではなく、
911事件発生当時ボランティアでかけつけ、
重い障害を負ったが国からは何の保障ももらえていない消防士たちをキューバにつれていくところ。


治療費がしはらえなくて苦労している彼らを、
医療費がタダなキューバに連れて行って、治療を受けさせてあげるあたり。
アメリカでは1瓶12000円する薬がキューバでは 6円で売られていて唖然としたりするけど、
マイケルムーアも粋なことするなぁ・・・。


それとお涙頂戴的な演出にも思えたけど、
キューバの消防署が彼らを英雄として出迎えてくれるあたりももう・・・。)