世界級のキャリアをつくるには、中身を強くすることから
当たり前なことですが、大事なこと。
世界級キャリアのつくり方―20代、30代からの“国際派”プロフェッショナルのすすめ
- 作者: 黒川清,石倉洋子
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2006/05
- メディア: 単行本
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世界を舞台に活躍を続けられておられるお二人が、世界で戦える人材になるにはを語った一冊。「プロフェッショナル」とは、ということについて、お二人がその資質、要件を端的にあげていて読みやすかった。
読み終えた感想として最初に思ったのは、「国際派プロフェッショナル」という言葉がたくさんでてくるけれど、本書の中で「英語」についての言及はかなり少ない。お二人とも留学することを奨めているけれど、その目標は「異文化に触れる」「新しい価値観に気づく」というようなこと。
(もちろん大切なことではあるけれど)英語が喋れる、ということは、本当に表面的な1つのスキルにすぎないのだなということを思い出させられた。「英語が喋れるようになっても、喋る内容がなければ意味がない」というような文章があったが、まさにその通りだなと。
では、「喋るべきこと」はどうやって自分の中につくっていくか。
それは、日頃から積極的に行動をする(実体験をする)ことや、自分に入ってくる情報に対して自分なりの意見/仮説を持ち、それを人に説明できるようにするという訓練を続けることと書かれていた。
そういう意味ではブログはいいツールになっている面もあり、文章なので時間をかけられるという甘えの部分もあるということで、これだけで十分というわけにはいかなそうだ。幸い、うちは夕飯のときに奥様と世界経済に関してディスカッションするという習慣がついてきたので、これを十分に活かしていこう。
TEDやStanford Entrepreneurship Cornerも、聞いて感想残すようにしないとな。(TEDは、電車通勤のiPhoneユーザーにはホントにオススメです。)
TED: Ideas worth spreading
Entrepreneurship Corner: Stanford University's free podcasts and video clips of entrepreneurial thought leaders and innovators from Silicon Valley.
同じ日常を過ごすのであっても、自分の取り組み方一つで学ぶ機会は増えるし、その蓄積が365日、10年、20年と経った時にものすごい差になっているんだろうなということが感じられた。複利で積立貯金するような感覚。
日々の仕事は、一番の修練の場だし。
あとはウェブどっぷりな自分は、実体験をもっと増やそうと思った。
仕事以外の活動(バスケとか?空手とか?)、やっぱなんか始めようっと!
以下、内容のメモ
プロフェッショナルとは
石倉さんの考える8つの要件
- 圧倒的な技術、知識をもっていること
- 自分の仕事に対する強いパッション・プライドがあること
- 個人で勝負していること(肩書きに依らない)
- 個人の生活も充実していること
- 明確な自分の主張・見解をもっていること
- 仕事の完成度が高いこと
- 安住しないこと。つきない知的好奇心を持っていること
- 余裕があり、誰にでも親切であること
黒川さんの考える6つの資質・要件
- 個の腕・スキルによってなりたつ
- アウトプットに明確に関連している
- 結果の責任を取る
- 開かれたコミュニティで成長する
- 当事者意識をもっている
- 大局観を常にもっている
キャリアステップ
20代にしておくとよいこと
- 多様な人と交わり、人生の目標を模索する
- 小さな失敗をたくさんしておく
- 周囲の期待や目は気にせず、やりたいことをやる
- 優秀な人の近くに行って、そのパッションに触れる
- 異文化に触れる(留学)
- 自分のものさしを越えたものに出会える
- 意思決定の大事さを理解する
- いい加減さ(強さ)を身につける(「まあいいや」と、また歩き出す)
- 旬を逃さない
- みずから飛び込む
- 優秀な人と一緒にはたらく
- チャレンジする
- 場を変える
- 刺激になり、自分の個性にもつながっていく
30代
「個」を磨く
- リーダーシップを磨く
- 小さくてもいいから組織の長になる
- 意志決定、責任、忍耐を学ぶ
- 場を仕切るスキル
- 人間力
- 小さくてもいいから組織の長になる
- 自己アピールをする
- 自分という商品を売る。「あいつはいい」と思われるようになる。
- 積極的に自己アピールの訓練をする。
- 群れない
- 自分の武器をつくる
- 責任
- 対応
- 生活、ライフステージに合わせて柔軟に。
- どう生きたいか。
プロフェッショナルに必要な5つの力
現場力
- 自分の目と耳で情報を得る。
- 二次情報と現場の情報の違いを感じて、考える。
- ウラを取る習慣をつける。
- 鵜呑みにしない。
表現力
- 常に自分の意見を持つ
- 本、記事、社説 に賛成か反対か。それはなぜか。
- 感想を人に説明する
- 映画、音楽、劇 など観たら。
- 専門用語は使わずに伝える。
- 言い方を考える。思いやり。
- 実体験を増やすことで、自分の引き出しが増える。
時感力
- 時間に対する感度。「詰める力」。期限内に終える。
- 夢、目標に日付をいれる。
- 1日、1週、1年の計画表をつくる。
- 長期的な計画を立てる。
- 出口戦略を考える習慣をつける。
当事者力
- やりたくてもやっていなかったことを何か始める。
- 自分ならこうする
- 出身校の問題
- 日本、アジア、世界の課題
- 当事者として実体験することで、ノウハウとなる。
直観力
- 問題を分析して、一気に解決する能力
- 一言で説明する習慣。サマリーする。
- 自分の仕事を改善するとしたら、何の指標をとるか?考える。
- 自分の会社を改革するとしたら、最初の3ヶ月で何をするか?
バランス
うまくいっても、だいたいの場合なんらかトレードオフがあるもの。
プロフェッショナルは、常に最善を求める。プラスサムになるような手段を更に探し続ける。
結果、向上心はつきず、謙虚に成長を続けていく。
「ベストを尽くしてもできないこともある」という、割り切りも必要。
バランス感覚。