納得。新書がベスト
すぐに本屋さんへ行って、新書を買いあさりたい衝動にかられた。
- 作者: 小飼弾
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 2010/06/09
- メディア: 新書
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僕はこれまでどちらかというと新書を避けていたところがある。
・値段、大きさともに控えめなので、買いすぎてしまう恐れがある
・興味をひくような題名が無尽蔵にあるので切りがなさそう
というのがその理由なのだが、本書を読んで、その考え方のおかげでだいぶ損をしていたなという気分になった。
読書の目的とはなにか。
多様な考え方を取り入れて、自分なりの「知の体系」を構築すること
ということには、心底納得した。
そのためには、広く浅く、時に深く、自分なりのやり方で、知の世界を三次元的に、いや四次元的に歩き回ることこそが大事なのだと思った。
そういう意味では、新書はベストだ。
詳しくは本書に譲るが、その幅広さも、深さも、どちらも十分に満たしてくれる。ハードカバーに比べて安く、小さい(薄い)ことも、慢性的な本棚不足に悩む我が家には心強い。
もう1つ、徐々に電子書籍を読むようになって感じていることだが、やはり本の手触りというのも魅力の1つだ。そういう意味でも、ハードカバーよりも新書に軍配が上がる。掌や指もまた読書に参加している感覚が僕には快い。
表紙や装丁の美しさも好きなのだけど、その点は少し寂しいところだ。こないだ買った「オーパ!」は素晴らしかった。もちろん、その分高かったけど。
とはいえその装丁の不愛想さも、全くの偏見ながら、新書の風格を引き立たせるのに一役買っているところもあるので、かえって特長になっているのかもしれない。(絵や写真の方が先に電子書籍へ流れていって、逆に文庫や新書は紙として残っていくのが合っているのかもしれないなとも思う。)
何にせよ、新書を1000冊読んで、自分なりの小宇宙が構築できた時にふと本棚を眺めて湧き上がる感慨深さを、本書を読んでいて擬似体験した気がする。でもこれは近い将来に現実化できる感慨な気がした。