web2.0的社会に期待していること(2)

創発」というのを始めて知ったのは、
「自己組織化と進化の論理」「複雑系」といった本を読んだ頃だ。
自己組織化と進化の論理―宇宙を貫く複雑系の法則 複雑系―科学革命の震源地・サンタフェ研究所の天才たち (新潮文庫)

少し脱線するが、「創発」という言葉を知った経緯を少し。


18歳の頃に大学の「現代芸術論」という講義の中で、
「脱身体化」「生命機械論」といった話を
知って以来、ずーっとその考えが頭に残っている。
それに関することに、色々と興味を持つようになったのだ。


腕を失った場合、義手をつけることで人間としての機能は代替できる。
一方、自分から切り離された腕は、その瞬間から自分(の一部)ではなくなる。
とすると、医学が進んで体の器官を交換可能な世の中になってきた場合、
「何」が自己になるのか。
要は、「何」は取替えがきかない器官(要素)なのか。


脳?
でも、脳も医学、科学の発達と共に
刺激というインプットに対して、
複雑に入り組んだシナプスが発する電気信号のパターンというアウトプットを出す
一種の機械とみなせるようになってきている(ようにみえる)。


では何が「自己」、「生命」を規定しているものなのか?
それが記述できるとすれば、それは機械に置き換えられるはずではないのか。


というおそらく何千年も解けていない思考実験にはまってしまったのだ。


そこからは、ゲーテの「ファウスト」にでてくるホムンクルスに始まり、
攻殻機動隊エヴァンゲリオンにいたるまで、色々とみてきた。
意味はほとんど分からなかったけど、ペンローズの物理書まで読んだ。
大学の専攻を生物系の研究室に決めたのも、これが大きく影響している。


そんなわけで、僕の、
一番根元にある動機は、
「生命」は機械として記述できるものなのか?
というものだ。


これって、要素還元主義の行き着く先な考え方なのだろう。
ニュートン以来、現代の社会・産業をつくりあげてきたこれまで科学の解答なのだと思う。


(いわゆる数学や物理とかが得意でないからかもしれないけど)
なんとなく生命に関しては、要素還元主義に限界があるのでは
と思っていたところで、複雑系という、要素還元主義とはちょっと違った、
新しい学問分野を知った。


あくまで感覚的な話だが、「複雑系」「自己組織化」といった考えを知ったときに、
自分のそれまで考えていた疑問が氷解していくのを感じたのだ。
あくまで感覚的な話だが。


さて、脱線が過ぎてこれがweb2.0にどうやってつながるのか
がわからなくなってきてしまった。
一応 僕の頭の中ではかなり強くリンクしているのだが、
まだ結論までに色々と書いておきたいことがある。。。
(結論は(1)に書いておいたやつです)