電脳な世界

最近、攻殻機動隊のStandAloneComplexのDVDを友人に借りて、みている。


僕の興味と本当にぴったりなのだが、
脱身体化生命機械論などに一番興味があって
調べたりしていた学生時代にはみなかったのだ。


2年ほど前にイノセンスをみて、ひどく感動したという次第。


物語についての話はおいといて、
未来にきたるであろう世界のうち、現実的なものは
現在のネットワーク化がどんどん進行していくことだろう。


ユビキタスというやつだ。


で、そうなっていく過程で、
僕は一番キーになると思っているのは、人間の脳の中にある情報(思考)を、
どうやってデジタルデータに変換するかという、
ヒューマンインターフェースの部分だ。


攻殻機動隊では、人間のサイボーグ化がすすんで
脳が直接ネットにアクセスできることになっている。


ブレインコンピューティングインターフェースというやつだ。


僕は生命理工学というバックグラウンドの人間なので
この辺のことにかなり興味を持っている。
学生の頃にサマースクールでそういった神経とデジタルデバイスをつなぐ
基礎研究をやっている話を聞いたり、
アメリカで盛んにやっている脳信号をよみとる研究なんかを聞いていると
技術的には、10年後くらいには実現するように思う。


が、
それが全世界の人に適用されるかというと、Noだろう。

それでもヒトは人体を改変する

それでもヒトは人体を改変する

学生時代にこの本を読んだ。
例によって半分くらいまでしか読んでいないのだけど、
冒頭を読んで以下のようなことが、ものすごく強烈に頭に残っている。


要は、
人間は技術的に人体を改変することはできるだろうが、
それは非侵襲なものであるべきだ。
何より心理的抵抗が強いし、メリットがすくない。
耳を十倍よくするためにはサイボーグになる必要は無く、
補聴器を装着すればよいのだから。


といったような内容。
(おそらく本の趣旨は、「しかしながら、、、」と続くのだろうが
僕にとっては、ここまででかなり強い印象なのだ。)



自分の頭の中にある思考を
他人に伝えるには(ミームを伝えるとも言える)、
なんらかのアウトプットを出さなくてはならない。


どうやって?


(今の仕事にからめて言うと)
「ナレッジをつくる」というのはとても難しい。


ある仕事をこなすうまいやり方を、
人に教えるのはそんなに簡単ではない。


ましてそれをExcelやWordのような資料に落とし込むのは
特殊技能といえるだろう。
一苦労だ。


(だからナレッジマネジメントというのは依然難しいままなんだと思う)


GoogleAmazon、Yahoo、
ものすごい大きさのデジタルナレッジがつくられた。


よく考えると、これらは全て手動だ。
すべて人間の手作り(Webページをつくるという行為による)データである。


Blogは、そのインターフェースを少し広げた。


誰でも簡単に文章や写真をデジタルデータにして、
世界中と共有することができる。


でも、これでは遅いのだ。
こんな手間がかかっていては、僕の思う創発ネットワークは生まれないと思う。
参加人数が圧倒的に少ない。


全ての人間が電脳でつながっている世界では、
創発が起きる気がする。それだけ複雑で多様なネットワークが形成されるだろう。


ただし、みんながみんなサイボーグになるには
もう少し時間がかかるだろう。



思考をデジタルデータに変える術。
これがキーになると思う。


日本には、ケータイという
ネットワークとつながるデジタルデバイスがある
(僕の認識ではケータイの主たる役割はもはや電話ではない)。


補聴器をつけるかわりに、
人間が自分の思考(ミーム)をWebという世界に送る術は
やはりケータイになっていくのだろうか。。
と最近つとに思う。
(※日本では、の話。)


ケータイは、今は Webの世界から情報を以下に取ってくるか
というところに重きが置かれている。



ケータイは、Webの世界へのゲートウェイなのだ。
どうやって思考(ミーム)をデジタル変換するか。
どうやって送り込むか。共有するか。


この辺が一番おもしろくなってくるだろう。


ケータイ技術が世界で一番すすんでいる日本でできることといえば。




※ちなみに最近思いついた一つのやり方。

FlipClipは携帯電話でとった動画をアップできるサイトだが、
自分ようの簡単なメモとしてつかえる。


今のコンセプトも、日常体験のソーシャルブックマークなのだと思うが、
日頃のアイディアをメモに書き取る代わりに動画ファイルとして
(しゃべるなどして)保存しておけば、
あとですぐに取り出せるのだ。


今の技術でできる中では、これが一番かなぁ。


でも、Webサービスをもっと考えていけると思う。


GoogleAPIも携帯電話も、Java対応なのを偶然と思ってはいけないのだ!