人を使うこと


人を使うのはむずかしい。


最近、仕事で人に指示を出す機会が増えてきた。


部下、というわけではないので
これをやっておいてください、とお願いするような感じだが、
なかなかむずかしい。


相手に自分の意図を伝えるのが大変だし、
モチベーションは人それぞれだが、
それによってタスクの重さを変えるわけにもいかないし。
でも、結果的にはそうなってしまっている。


相手と自分との間にはっきりとした上下関係があれば楽なのだろうが、
必ずしもそうでもない。


強い組織というのは、どんなものだろう。



軍隊か、プロスポーツチームか、映画プロジェクトか。


今思いつたのは、この3つのタイプだ。


軍隊は、指示の伝播が早くて確実。
上下関係が非常にはっきりしているから、組織全体がかなり同調する。
堅い組織だ。


プロスポーツチームは、たとえばサッカー。
監督やコーチといった上官はいるが、ピッチにいる11人は同格。
試合の中では各自がその場の状況を判断して、行動する。
スケール(人数規模)を考えなければ軍隊に近いが、
各個人(部隊)に依存するところが強くなる。自由度も増す。


映画プロジェクトというのは、
ある映画を撮るというプロジェクトが発足した際に、
カメラマンや音楽家、脚本家と、各分野の専門家が集まる。
これも軍隊と同じともいえるが、
時間スパンを考えると、短い(映画を撮り終えたら解散なので)。
外人部隊的な感じ。



こうやって羅列してみて思ったのは、この3つは
「今 自分が求めているアウトプットに対して」強い組織だ。
(今 求めているのは短時間で正確に大量の文書やプログラムを生成すること)



メンバーの創発を誘発するような組織ではないかもしれない。
下に行くほどその色は強くなるが。


人と人がコミュニケーション(相互作用)することで
刺激し合い、新しいアイディアなどが生まれる。
これをぼくが描く「組織における創発」とする。


この「組織における創発」を意図的に誘発するには
どんな組織がいいのだろう。


・・・ゆるい組織だ。


ステマティックにルールを決めてそれを「皆が」(これが重要)守る。
こういう軍隊的な組織は、アウトプットは正確でスループットも大きい。
だが、末端の誰かのアイディアは黙殺される運命にある。


逆にルールがほとんど無い、Web空間では
アイディアばかりがどんどん生まれているように思う。
趣味の近い人間が集まって、
リラックスした雰囲気で何かについて語り合っている状態だ。
Web上ではブログを使って自由に意見を言って、
他の誰かの意見を自由に読んで、それに対しての意見を自由に言って、、、
アウトプットは膨大に広く、浅い。
スループットは、人数を考えれば少ないといえよう。



Web1.0的なシステムとWeb2.0的なシステムの特徴の差、
という感じの話になってきた。
Web1.0 ⇒ 軍隊的
Web2.0 ⇒ ブログなどによる人のつながり


Web2.0的なシステムは、ネット空間に自己形成されているように思う。
Web2.0的な組織、というのはあるのだろうか。


「組織」という枠組みではないのかもしれない、それは。



ちなみに、脳のシナプス回路というのも
100億だかなんだかのシナプスが互いに結合している巨大な組織といえる。
これはどういう組織になっているのだろう?


興味深い。