「使う力」
休暇中に飛行機の中で読んだ本は2冊。
うち、今日は仕事に関するこちらの話。
使う力 知識とスキルを結果につなげる (PHPビジネス新書)
- 作者: 御立尚資
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2006/04
- メディア: 新書
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昨今のビジネス啓蒙ブームの中で、
経営知識を蓄えることばかりに比重が偏っており、
せっかくの経営知識を「使う」ことを鍛えていないという指摘。
内容のほとんどは、
「じゃぁどうすればいいのか」というところに焦点が当てられていて、
読んでいてやる気が出てくる本でした。
文中に挿入されている図なども、
非常にシンプルだけど、ポイントはしっかり伝わってくる。
さすがコンサルタント、という感じ。
著者の御立さんは、友人の結婚式で一度 同席したことがあるので、
(直接お話したりはしていないが)なんとなく勝手に親近感を覚えてしまって
あっという間に読んだ。
印象に残った(ふせんを貼った)ところはいっぱいあるが、
特に心に残ったのは2つ。
1つは
「楽しむ」ビジネスライフのすすめ
内容は、小題を羅列することで説明できる。
・「苦しむ」=「努力する」という抜きがたい誤解
・「楽しく努力する」という選択肢はありうる
・完璧を求めようとすると失敗する
・時代もまた「苦しんで努力する人」を求めていない
・規律重視の業界で進む脱規律の現状
・自由と規律は「シーソー」ではなく「下駄」
「日本の場合、自由(楽しむ):規律(苦しむ)を7:3くらいにするとちょうどいい」
というのに、ひどく納得してしまう。
もう1つは、
「中長期を考えて楽しむ」
ということ。
そういえば、これは自分にも思い当たる。
入社3年目に入ったが、1・2年目は休日によく中長期のことを考えていた。
自分の部署の課題を勝手に考えたり、改善案を考えたり。
この頃の方が日々の仕事が楽しかった気がする。
最近 休日に仕事の中長期計画を考えなくなっているなぁ、と。
「緊急なことが重要なことを駆逐する」とよく言われるが、
実際に仕事に追われている最中にも、本人はそのことをよくわかっているものだ。
ああ、もっと中期的に大事なことをやらなきゃいけないのに、
と思い続けていると、自分で楽しくない。
つまり目先のことに終われてその先のことが見えない状態というのは、
フラストレーションが溜まるのだ。
今、この状態になっていると思う。
自分の人生的な中長期プランに絡めて、仕事の中長期プランを考えてみようと思う。
逆に言うと、組織をつくっていく上では
この「目先のことに終われてその先のことが見えない状態」を、
いかに解消するかということが、大事になってくる気がする。
人が会社(組織)に所属するモチベーションは、お金だけではない。
「先のことが見える状態」を提供するというのは、
知識労働者を確保するのに、ますます重要な要素になる気がする。
実際にそれを実現するのは難しいとは思うが、
日々の忙しさをコントロールできる組織、仕組みを考えたい。