ハイ・コンセプト(5)

間が空いてしまった。


親知らずを抜いて以来、頭痛がひどくなって仕事をするので精一杯になっていた。
やっと回復の兆しが見えてきたので、つづき。

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

さて、「調和」(シンフォニー)の能力について。

「コンセプトの時代」に成功したいのなら、
一見バラバラで多様な秩序の間にある関連性を理解しなければならない。
明らかに無関係な要素を結びつけて、
新しいものを作りだす方法を知っている必要があるのだ。


また、類推力、つまり、ある物事を他の観点からとらえることにも長けている必要がある。
言い換えれば、次の三タイプの人は成功する可能性が大だということだ。
それは、「境界を超えられる人」「発明できる人」「比喩を作れる人」である。

ということだ。


つまり、
全体思考をするようにして、既存の技術を「これまでにないやり方」で組み合わせることができる人
というようなことか。
これはわりとイノベーションの常套手段的な話だなぁ、とも思うが、
そうは言いつつも、現在の世の中では全体思考(ゼネラリスト)はあまり好まれていない。
というか、あまり出番が無い。ゼネラリストの需要は、スペシャリストに比べて圧倒的にが少ない。
これからゼネラリストの需要が増えていくということなのか。


それとも、スペシャリストはどんどん機械やコンピュータ、途上国労働力に置き換えられていって
生き残れるのは一握りのゼネラリストだけですよ、というきびしい現実なのか。
・・・そんな気がする。



ゼネラリストのなり方は難しい。
これまで接してきた色々な先生(全ての意味で)がたは皆一様に、
「まずなにか得意分野、専門分野を持ちなさい。
そうすれば、それを軸にして、広く物事を見るようになれるよ。」
と、教えてくれた。
人間の脳の成長の仕方としては、これは一つの定理なのかなぁとも思う。
あまりに皆が言うので。


ゼネラリストになろうとは思うし、
自分の経歴は明らかにマルチだし、
(好奇心とかの意味で)向いているんじゃないかなとは思うが、
やはりスペシャルな何かは必要なのだろう。



ただし、本書で進められている「調和力」を育てる方法はユニークだ。

  • すぐれた交響曲を聴く
  • これまで気にもとめなかった雑誌を買う
  • 五筆描き(5つの線だけで自画像を描く)
  • 「いいたとえ話」を書き留めておく
  • インスピレーション・ボード(何か心に訴えかけてくるものをとにかく貼る)
  • 素人の強みを活かす
  • 「空白のスペース」を探す(だまし絵のように、空白の部分に意味があるもの)


ゼネラリスト、という言葉がよくないのかもしれない。
指揮者は最初っから指揮者なのだから。