ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて

ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて

ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて

やっと読了。
決して読みにくくはなかったが、結構時間がかかった。
その分 読み応えがあり、岩瀬さんの2年間を少しだけ疑似体験できたような気分。


経歴を見ると、よくもまあこれほど優秀な・・・と思ってしまうが、
先日行われた講演会で実際に拝見し、お話しを聞いてみると
ご本人も強調されていたように、そんなに特別な人という印象は受けなかった
(十二分に優秀な実績を多分に残されてはいるが。。。)。
講演の時には、「実行するか、しないか、これにつきる」いうようなお話が印象に残っている。


本を読んだ感想としては、
HBSでの生活、クラスの風景がいきいきと描写されていて、
非常にうらやましく思えた。
これまでビジネススクールというと、予習で全然寝る時間がない、とか厳しいイメージがあったが
優秀な方なせいか、英語に苦労されていないせいかは知らないが、そういう印象は少なく、
純粋にクラスで得られた知見や示唆が数多く書かれていて、
本当に学生生活を満喫されたんだなということが伝わってくる。
それを読むだけでも十分に価値があった。


僕は金融関係の知識がほとんどないので、
PEやヘッジファンドのことについては、これまで自分に偏見が多くあったなということに気づき、
目からうろこの思いで読めた。


ワークライフバランスについて書かれた章では、
最近 自分で考えていたが、なかなか人と話すことがないようなことが書かれていて、
世界中のエリートでもこういうこと考えるんだな、ビジネスサイボーグではないんだな、
と、なぜか安心するような思い。


「どういう人生を送って行きたいか」なんてことをよく考えるが、
ただ考えてても答えはでないんだなぁ、と思う。
ウォーレン・バフェットがHBSの学生に送ったという
「セックスを年をとってからの楽しみに取っておくようなことをしてはいけない。
やりたいことがあるなら、今すぐやりたまえ。」
という言葉や、
「計画された偶然性理論」のエピソードは、肩の荷が軽くなり、背中を押してもらった気分。
曰く、

キャリアは偶然の積み重ねで予期せぬ出来事でできる。
だから、予期せぬ出来事をいかにチャンスに結びつけるかが大事。
ゴールは生涯にわたって学習する、あるいは毎日をエンジョイすることで、
キャリアの意思決定をすることではない。
そして必要ならチャンスを作り出す行動をする。」


そういえば去年の夏に、友人に紹介してもらった方に近いことを言われた。
その時は僕が仕事に対して一番深い迷いにはまっていて、そのことを話したところ
「その状態はもったいない。
迷いのある状態では、そうでないときに比べて同じ仕事をやるにしても、
吸収力が下がってしまうよ。」
というようなことを言ってもらった。
それ以来、すこしずつ迷いが晴れていったのを覚えている。
よい人と出会う、本を読むというのは、心に対しての一番の栄養剤だ。



今は、今を一番楽しめる選択をしていこうと思う。