ネット未来地図感想(1)Twitter の新しさ

ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書)

ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書)


最近の動向がまとめられていて、ためになった。
日常的に使っているサービスが多かったので、何となく当たり前のように感じていたウェブサービス群の
技術的な背景などがよくわかった感じ。


その中で強く印象に残ったのが、
論点17 Twitter だった。


ぼくは Twitter はやったことがない。
だいたいどういう感じかは知っているが、これに関しては体感していない。
でも、ニコニコに浸りきった身としては、なんとなくその中毒性が分かるような気がしている。


本書で非常に「なるほど」と思ったのは、このまとめだ。

トゥイッターの新しさとは、いったいどこにあるのだろうか。それは以下のような点だ。


? トゥイッターは「つながり」をストックからフローに変えている
? トゥイッターは「つながり」のリアルタイム性と非リアルタイム性を曖昧にし、
その向こう側に新しいゆるやかな時間軸を作り上げている。
? トゥイッターはコミュニケーションに対する圧力が極めて低い。


それぞれの詳しい解説は本書に書かれているので省くが、
この「トゥイッターの新しさ」は、
ニコニコ動画の盛況ぶりと、Second Lifeが(少なくとも日本では)イマイチ普及できていない
理由と本質的に同じものをさしていると思う。



Second Life、自分でやってみて一番の驚きは、
「ネットが時間と空間の制約がないものであったことを再発見した」ということだった。
Second Life は、本当に「もう1つのリアル」なのだ。
Second Life内のイベントは「予定通りの時間」に「ある決まった場所」にいなくてはいけない。
そして日本の活動時間にログインしてもあまり人がいない。
アメリカやヨーロッパが時差があるのだ!ということを感じさせられたのだった。


その時には、インターネットによって一度なくなったと思っていた、時間と空間の存在が
またリアルな現実としてよみがえってきたことに、非常に新鮮な驚きを感じた。
ただ、それがインターネットのよいところを奪っている面もあり、
Second Lifeにイマイチはまれない一因にもなっている。


逆にニコニコ動画では、それと全く逆の体験をした。
今度は一緒の場に同時刻にいないとできなかったはずの、
テレビやゲーム画面を見ながらそれについて語り合うということが非同期に実現されている。
これは毎日深夜帰ってくる社会人としては、かなり強烈な体験だった。
もう、ゴールデンの時間に家にいる必要がないのだ(テレビはみてないけど・・・)。


この Twitterニコニコ動画に象徴されるような
非同期性コミュニケーションが、今 おこりつつある「未来」だと感じた。
これだけは、ちょっとこれまでの延長線上にないことなのだ。