ネット未来地図感想(2) "時刻"と"位置"という制約をなくすことによるコミュニケーション革命

ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書)

ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書)

「インターネットは時間と空間の制約がない」という表現をこれまで自分はしてきた。


ただ、今回「ネット未来地図」を読んで、
これをもう少し正確に自分の中で再定義みたところ
「インターネットは"時刻"と"位置"の制約がない」
という表現がしっくりくることがわかった。


時間、空間という表現は曖昧な言葉だ。
インターネットを使ったコミュニケーションによって、
何が向上したのだろう、何ができるようになったのだろう、ということを考えていたところ、
それは"時刻"と"位置(場所)"だという結論に行き着いた。


そして、時刻も場所も、
時間、空間という座標系中のある座標にすぎないということに気づいたのだ。
(2007年12月10日午前1時) (北緯45°、東経135°)
みたいな座標として表せる情報。


インターネットは、とくに非同期系のコミュニケーションは
この時刻と位置はメタ情報として扱うことで、それらの制約を取り払うことに成功している。
この点が、革命的に新しいことなんだなぁと、自分なりに再発見した。
(参加している一人一人がコミュニケーションに費やしている"時間"はこれまでと変わっていない。
 これはハッキリさせておいた方がいいと思った。)


この非同期性コミュニケーションの最たるものは、やはりニコニコ動画だと思うのだが、
もっと他のことにも使っていけるように思うのだ。
人が時刻にも位置にも縛られなくなるということは、
コミュニケーションのコストを大幅に下げるということだと思う。(心理的なコストという意味でも。)


技術革新によって、これまでコストが高くて大衆が手を出していなかったものが
劇的に安くなり、普及する。これも一つの産業革命のパターンだと思う。
(今回のコストはお金だけではなく、心理的なコストであるというところも注目すべきだと思う。)
非同期性コミュニケーションは、その可能性を大きく含んでいると思うのだ。