3年で辞めた若者はどこへ行ったか
3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書)
- 作者: 城繁幸
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/03
- メディア: 新書
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働き方も然り。本書は、著者が多種多様な働き方をしている人々にインタビューをする中で、今の時代の、今の日本で働くことのリスクであったり、今の日本の雇用制度の問題を鋭くえぐっている。
自分なりに感じたメッセージは、自立して生きろということ。それには結果として、今の日本社会ではアウトサイダーというように言われるかもしれない。でも、世間一般で正しいといわれている(本書中では「昭和的価値観」と呼ばれている)、大企業への就職、若いうちは下積みという滅私奉公的な働き方は、この50年間でつくられた価値観であり、年功序列制度を護るための不自然な仕組みであるということ。なので、その価値観に縛られる必要はない、自分らしく生きることを考えよう、ということ。
「けものみち」を生きるというような感じなのだけど、本書もその後押しをしてくれているような一冊。そして、「なんとなく流されて生きる」ことで、後から引き返せないことになってしまうという、身の引き締まる話も載っている。(というより、常に身が引き締まる思いで読んだ。)自分は2004年に就職活動をして、当時はわりと不況で大企業に人気がない年だったので、この「昭和的価値観」には比較的縛られていない方かという自負もあったけど、本書を読んで感じたのは、やっぱり自立できるようになるべきだなということ。
そのことについて、心に残ったエピソードがいくつかあった。
1つは独立することを選んで、きびしいながらも充実して仕事をしている事例。もう1つは、組織のためにきちんとつくしたことが招いた、どうしようもない結果。外資系のヘッジファンドで世界を相手にバリバリと働いている同世代の若者。でも、一番強かった言葉は「今の会社でクビになっても、来週から別のヘッジファンドで成果を出してやっていける自信がある」という話。逆に、日本の大企業に新卒入社して、経理、社内システム、総務と社内のゼネラリストとして、順調に仕事をしてきた人が35歳で転職を考えた時に感じる行き詰まり。
この2人の違いは何か。
それは、仕事が会社に依存していないということだろう。
本書はメッセージ性が強い本なので、この事例が全てはないけれども、これは事実だということは実感を持って感じる。
自分の人生は、自分が主役。
生き方は自分で決められるようになりたい。それには自分に力をつけるということも大事だし、自分がしたいことを仕事とするにはということを考えて、実行していくのが大事。梅田望夫さんが「何度失敗しても落ち込まず、挑戦を続けることが大事」というような趣旨のことを言われていたのを強く覚えている。行動力は少しずつついてきたと思うので、このまま結果が出るまで色々やり続けていこう。