Amazon が Kindle をやめない理由
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Amazonが本当に真剣にKindleに取り組むつもりなら… - TechCrunch
Amazon 発の電子ブックリーダー Kindle、頑張ってるようだ。
現在までにKindleは24万台前後が売れている。Amazonは現行モデルの在庫一掃を狙って、Amazonサイトからクレジットカードで買えば$359の定価から$100値引きするというキャンペーンをやっている。
ここで提案されていたアイディアには、(ユーザーとしては)とても賛成。
もしAmazonがハード・メーカーにKindleのライセンス生産を許可し始めたらどうだろう? さらにそうしたハード・メーカーがほとんど製造原価で販売できるようなインセンティブを与えるとしたら? AmazonはメーカーにKindleのハードウェアの規格を詳細に開示する必要がある(しかしさして特殊な技術が使われているわけではない)。
(中略)
こうなれば、あっという間にさまざまな価格、機能のKindleが市場に溢れるはずだ。(スクリーンや本体のサイズがまず手始めに多様化するだろう)。ハード・メーカーはいつもぎりぎりのマージンで価格競争している。それが突然、新たな収入源を得る方法が見つかることになる。
Kindle を売るのではなく、Amazon ブックストアの収益を拡大させよという案。
これでAmazonから直接ダウンロードが可能な多種多様な電子ブックリーダーができれば、利用者としては本当に魅力的。きっと欲しいものも出てくると思う。
で、Amazon がこれをするか?と考えると、しないんだろうなーと思う。
なぜかといえば、やろうと思えばすぐに出来たはずだから。
なのに、これまでやってこなかったのは、Apple をお手本にしてるからじゃないかなぁと思う。
電子ブックをダウンロード販売。音楽、映画をダウンロード販売。
iTunes と全く同じモデルが成り立ちそうだ。
Apple の iTunes と関連ガジェット(iPod,iPhoneなど)の販売高はどっちが高いか。
iPodの利益
http://www.computerworld.jp/topics/apple/105970.html
iPod - Wikipedia
あたりをみて、推定。
すると、
$200 × 16,200万台 × 10% = 32億ドルくらい
まとめ
ということで、これまでの成績としては iPod と iTunes はとんとん。
iTunes Storeの楽曲販売、30億曲を突破 - ITmedia ニュース
を見ると、
2001年から2007年までの7年間でダウンロード数が30億で、
2007年から2008年までの1年間でダウンロード数が20億なので、
これからは iTunes の収益が効いてくるのでしょう。
(書き直し)
利益率のとても高い iTunes の利益が iPod を抜きつつあるのは、Apple の目論見通りのはず。これがしたいがために iPod をつくったはず。
でも裏を返せば、iTunesがiPodを抜くまでに 7年かかったということ。
そしてそれは iPod なくしては到達できなかったであろうこと。
このソフトとハードの両面を持つという戦略を実行できるということこそが Apple の1つの大きな強み。
Amazon も同じことをしたいんじゃないかな、と。
電子ブックのダウンロード販売、それは音楽業界をひっくり返したのと同じくらい大きな革命になりうる。だけど、その道は音楽業界よりもさらに険しいだろう。(本はなくならないだろうから、音楽業界ほど大きな革命ではないかもだけど、総額は大きい。)
音楽ファイルは最初っから規格がオープンだったけど、本だって極論すればテキストだ。だから Amazon が電子ブックのファイル規格を押さえていることにはそれほど意味がないはず。
それでも Kindle にこだわるのは、Apple が辿ったように、電子ブックダウンロードの収益が Kindle の収益を越えるまでは Kindle で稼ぐ、という意志があるんじゃないかなぁと。
結論としては普通になったけどね。。。