SIM-Drive
ついにきた、という感じ。これからが期待大。
SIM-Drive とは
Shimizu In wheel Motor-Drive
自動車のタイヤホイールの中に直接モータを内蔵させることで車体の軽量化や動力伝達のロス、騒音を抑える動力システム。4輪車2輪駆動、4輪車4輪駆動、8輪車8輪駆動など様々な駆動方式に対応しています。
グランドアップ車(新規に設計する自動車)のみならず、既存の自動車(新車・中古車共に)へも取り付けることが可能です。
慶応SFCの清水先生というと、大変有名な方です。
というかエリーカといえば、もっと多くの人が知っているでしょうか。
今日、会社発表のインターネット生中継を聞かせてもらいましたが、
「電気自動車を普及させるには、ガソリン車の代替という位置づけではなく、すべての面でガソリン車を上回る性能を示すべき。」という清水先生の話は、なるほどなぁと感心。目指している目標が非常にいいので、長年の努力が、こういう形で実を結んだのでしょうね。
モデル
当社の目標は「自ら電気自動車製造をするのではなく、最高の電気自動車技術とその情報を最小の費用で電気自動車に関連するすべてに提供すること」です。
企業としての理念と責任を元に、国内はもとより世界中での電気自動車の普及を目指します。
ビジネスモデルとしても、製造ライセンスを低価格で提供するという戦略はすごくいいと思います。
ちょうど、ホンダも電気自動車参入というニュースがありましたが(http://www.yomiuri.co.jp/atcars/news/20090824-OYT8T00294.htm?from=yoltop)、電気自動車市場の開発競争は、もう怒濤のレッドオーシャンの様相を呈しているように見えます。トヨタも VW、GM もこれから血みどろの開発競争に入っていくんだろうなーと思ってました。テスラモーターにはアメリカ政府が大口の投資をするし(米国政府がフォード、日産、テスラへ低利融資…環境車の開発を支援 | レスポンス)。
こういう電気自動車の波に、ちょっと乗り遅れてしまった企業にとっては、SIM-Driveは福音ではないでしょうか。これで、乗り遅れてしまった、あきらめかけていた企業も、まだ勝負ができる気になるのでは。
電気自動車は環境ビジネスの本流
なにより、この低価格ライセンス普及モデルによって、電気自動車が世界中に普及することになれば、本当に素晴らしい。日本にいると、空気はかなりキレイだから自動車の公害はあまり感じませんが、インドやネパールに行ってみると、空気がきれいということの素晴らしさがよく分かります。半日街を歩いたら、もう顔がざらざらしちゃって鼻の中も真っ黒になっている、という状況を体験してみると、排気ガスの怖さを体験できます。こんなに空気がきれいな(比較的)東京だって、朝に高いビルの上に登ってみると、地上10階くらいの高さまでうっすらと黄ばんだモヤがたまっているのを目にすることができます(初めて見たときは信じられなかった)。
CO2排出量と地球温暖化が関係あるのか、温暖化が環境に悪いのかどうかは本当かどうかは分かりません。でもそんなことはどうでもいいと思います。ただ空気がキレイになって、水がきれいになって、森が増えればそれだけで十分に素晴らしいことだと思います。
資本主義の巨大な力を地球環境への投資に向けるというのは、それが故意であれなんであれ、とてもいい潮流。その環境ビジネスの一番の本流にある自動車に、SIM-Drive が技術立国日本の存在を示してくれる存在になると思って、すごく期待してます。
ちなみに僕の友人が会社の立ち上げをやっていて、忙しそうですが、とても楽しそう。そういう意味でも楽しみに見ていきたいなと思います。
- 作者: 清水浩
- 出版社/メーカー: ミシマ社
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早速読んでみよう♪