複雑な世界、単純な法則(3)


昨日の続き。


複雑な世界、単純な法則  ネットワーク科学の最前線

複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線


現実世界と、数学的(理論上の)世界の間の差を解く一つの鍵は、
友だちの友だちはたいてい直接の友だちだ
ということだった。


何を当たり前な、、、
という風に思うかもしれないが、昨日の理論式ではここの部分が考慮されていなかった。
つまり、日本人のごく普通の生活を送る僕には、
日本人の知り合いがいるのと同じ確率で
アメリカ人、スペイン人、オセアニア人の知り合いがいるという仮定なのだ。


これを現実的な条件に当てはめていくとどうなっていくか。
僕の知り合いは、日本人で、東京に住んでいて、
地域、企業、学校、なんらかのつながりでつながっている。


そうやって僕の知り合いは、お互いに知り合い同士で
クラスター化しているのだ
(いよいよそれっぽい単語が出てきた)。


なるほど、これならば納得だ。
ならば、と
昨日の数値シミュレーションの仮定を変更して、
完全にランダムに点と点とをつなぐのではなく、
ある点から直近にある50の点をつなぐということにしてみる。


すると、ランダムにネットワークを結んだスパゲッティのかたまりと違って、
だいぶ整然とした細かい網細工のようなネットワークが得られる。



だが、これでもまだ問題はのこるのだ。


この網細工では、「6次の隔たり」という実験的事実が再現できないのだ。
この緊密ネットワーク内で日本の僕から、ビルゲイツまでとどくには、
1000万回もかかってしまう。


このモデルもまた、現実を表してはいないのだ。