複雑な世界、単純な法則(3)
昨日の続き。
- 作者: マーク・ブキャナン,阪本芳久
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2005/02/25
- メディア: 単行本
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現実世界と、数学的(理論上の)世界の間の差を解く一つの鍵は、
友だちの友だちはたいてい直接の友だちだ
ということだった。
何を当たり前な、、、
という風に思うかもしれないが、昨日の理論式ではここの部分が考慮されていなかった。
つまり、日本人のごく普通の生活を送る僕には、
日本人の知り合いがいるのと同じ確率で
アメリカ人、スペイン人、オセアニア人の知り合いがいるという仮定なのだ。
これを現実的な条件に当てはめていくとどうなっていくか。
僕の知り合いは、日本人で、東京に住んでいて、
地域、企業、学校、なんらかのつながりでつながっている。
そうやって僕の知り合いは、お互いに知り合い同士で
クラスター化しているのだ
(いよいよそれっぽい単語が出てきた)。
なるほど、これならば納得だ。
ならば、と
昨日の数値シミュレーションの仮定を変更して、
完全にランダムに点と点とをつなぐのではなく、
ある点から直近にある50の点をつなぐということにしてみる。
すると、ランダムにネットワークを結んだスパゲッティのかたまりと違って、
だいぶ整然とした細かい網細工のようなネットワークが得られる。
だが、これでもまだ問題はのこるのだ。
この網細工では、「6次の隔たり」という実験的事実が再現できないのだ。
この緊密ネットワーク内で日本の僕から、ビルゲイツまでとどくには、
1000万回もかかってしまう。
このモデルもまた、現実を表してはいないのだ。