複雑な世界、単純な法則(4)
- 作者: マーク・ブキャナン,阪本芳久
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2005/02/25
- メディア: 単行本
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人間関係以外にも、この事象は認められるというのか?
という疑問が当然わいてくる。
ここからは、それについての実例が示される。
たとえば、パプアニューギニアのホタルだ。
ホタルたちは、最初は二匹、それから三匹、
一〇匹、一〇〇匹というように、ほぼ完璧に同期して
集団で光のパルスを放つようになる。
ぜひとも自分の目で見てみたい光景だが、
その現象の不思議さはちょっと想像もつかない。
だがこれも、弱い絆による集団の特性(スモールワールド特性)であるのだ。
一匹のホタルの光が、自分の周囲数十匹に影響を与えるという状況では、
これほどの同期は起きない。
(このホタルの同期は、1万匹とかのレベルで起きているのだ。)
このホタル1匹を、○として表して、
ホタルが影響を及ぼす関係を線で表す。
モデルとして、ホタルが円形に並んでいるところだ。
これが、近くのホタルをつなぐだけだと
円の反対側に届くまでには、何十ステップもかかる。
ところが、ここに「弱い絆」を加えると、
劇的にこのホタルネットワークの伝達能力は向上する。
モデルでみると、とても当たり前で
とても説得力のあることだ。
1万匹のホタルが同期する、という
自然の神秘としか思えない現象の背後に、
こんなシンプルな法則が潜んでいる。これが真実だとすると、
やはり自然は美しい。
ちなみにこの本も、次に読んでみたいのだが
同じことをテーマにしている。
- 作者: スティーヴン・ストロガッツ,蔵本由紀,長尾力
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/03/29
- メディア: 単行本
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