ニコニコ動画内のミーム(〜メルトの発展をみていて)


最近土日はとある作業に没頭しているため、ブログ書くのも控えていたのだけど
今日はイロイロと刺激が強い日だった。


「メルト」という曲に関して、ニコニコ動画内の世界の動きが面白い。

「メルト」は、2007年12月7日に
Ryoさんによって投稿された初音ミクオリジナルソングだ。
たぶんこの方が作詞作曲して、歌声は初音ミクに託してニコニコに投稿した。
これがきっかけ。


で、12月15日にこの歌を気に入ったガゼルさんが、
初音ミクが歌っていたのを自分に置き換えて歌う。


ニコニコではこういう派生はよくあることなのだけど、
それでも十分にすごく面白いことだなーと思ってみていた。
(ちなみにガゼルさんの「メルト」は僕も気に入って、
ダウンロードして、i-podに入れて聞いている。)


それからも「メルト」は人気で、他のイロイロな人たちが
それぞれ思い思いに自分の得意なパートを担当してそれを投稿。


そして、昨晩(2008年2月16日夜)。
「メルト」のイロイロなパートを担当して演奏した人たちの
動画と音声をミックスして、一つの音楽にした動画がアップ。


これには本当に驚いた・・・!
これまでも、皆知らない人同士であったのはそうだけど、
知らない人同士だけで一つの曲を演奏しているのだから。。。!
そして、当然の展開だけど、今晩(2月17日)
ボーカルをリミックスしたフルバージョンがつくられて、アップ。


いやー、最高です。
そして、本当に鳥肌がたちまくりでした。


演奏が良かったというのもありますが、
それよりも、この登場人物たちは(7人かな?)、
たぶん一切の直接的なコミュニケーションをしていない。


ただ1つの曲に集まって、それぞれが自分の好きな表現をしただけ。
それがウェブの力を使って、1つになる。
これは10年前には想像すらできなかった事態になってきたなぁ。



ぼくは(最近あまり言わないけど)ミームというものの存在が
ネットでは顕在化すると信じている。
でもそれはあまりにぼやけた話で、自分でも上手く説明できなかった。


だけど、この一連の流れを見ていると、
やはりミームというものの存在を信じてしまう。
まぁ、ミームなんてご大層な名前で呼ぶからいけないのかもしれない。
要は人の思考が、人を離れて勝手に結実していく世界。
それが僕の思うネットの姿だ。
それがこの「メルト」という曲を通して実現されたような気がした。



この事例は別にそんな珍しいことじゃない。
作業はそれぞれの人がやったのだし、「メルトっていいな」という
人々の思いが結実した結果、こういう形に結実しただけだ。
ネットがなくても、同じようなことは当然起きうる。


でも、ネットは人の思いを、皆が仮想的につながることで
より結実させやすくしてくれる存在なんだと思う。
そういう一面に、僕は明るい未来を感じて、強く惹かれるのです。