群衆の英知の使い方

群衆の英知、集合知といった話が好きなので、
こういうのを見ると色々考えたくなる。
歌舞伎町で遇ったギークなタクシー運転手の編み出した、群衆の英知を活かした馬券購入法 - 雑種路線でいこう


僕はWiKiPediaニコニコ動画みたいなものをみているといつも興奮します。それは、学生時代からずーっと興味を持っている複雑系だったり自己組織化だったりという概念がインターネットで実現してるように思えるから。
で、それはどういう仕組みなのだろう?どうすればこういう力(摂理)を利用できるのだろう?なんていうことに興味がある。


どういったお話かというと、
趣味で競馬の予想ソフトを作っているタクシー運転手さんに偶然 会い、そのアルゴリズムを聞いてみたところ非常によく考えられている、と。

単純多数決だと本命馬ばかり当たる訳ではない点で群衆の英知ってどうよと考えてしまうが、様々な数字がその時々に群衆の誰かしらが何らかの情報や実感に基づいており、それらをどう解釈していくかというところまでモデル化して割り切った使い方をすれば、かなり使い出があるようだ。
(中略)
群衆の英知をどう活かすか考えた場合に、群衆を神格化して単純多数決で丸投げすれば何かが分かるというのではなく、小さな兆候に着目し、如何にノイズにまみれた「隠れた声」を引き出し、様々な振る舞いの背後にある構造を捉えてモデル化していくか、といったことに気を配る必要があるのだろう。


あ、なるほど、と思ったのは、
この場合、群衆は「情報を集めてくれるエージェント」という扱いなのだなと。


群衆の英知は、衆愚の集合にしかならないというリスクといつも背中合わせな訳なのですが、それをある程度コントロールするためのやり方として、

  • なんらかのモデルをたてる
  • モデルのパラメータを群衆からリアルタイムに集める

というのがあるなと。


これは群衆の無意識の行動/思考の結果が創発を起こす、というようなSF的なものではないけど、とても現実的な話だなと思った。それに、このパラメータを生成する因子が固定されていないという概念が非常にインターネットを活かした使い方だなと。


以前にウェザーニューズがやっていた
「雨プロジェクト」もすごくいいなと思ったけど、同じ考え方。
ウェザーニューズ 「雨プロジェクト」への参加者、追加募集!/2005.6.10
雨プロジェクト - Wikipedia

ウェザーニューズの携帯電話向け気象情報サービスの利用者から募集された参加者が、屋外に置いたビーカー、計量カップ等を使って毎日の雨量を観測してその結果を同社携帯サイトを通じて報告し、あわせて、リトマス試験紙による酸性度の測定結果の報告や、体感した雨の降り方(ザーザー、シトシトなど)や降雨の生活行動への影響(レインコートの要否など)についてのメールによるアンケートへの回答を行うことにより、全国規模で雨の状況が多角的に把握されるというものである。参加者から収集した報告は、集計・編集されて同社携帯サイトのコンテンツ「梅雨情報」において公開されるほか、同社の有料予報資料提供サービス「Labs Channel」でも閲覧できる。


如何に情報を集めるかというだけじゃん?かもしれないけど、情報を集めてくるエージェントが誰で何人いるか分からなくて、おのおのが自分の意志で動いて情報を集めてくるというところが、予め意図をもって統一された仕組みで情報を集める場合よりも、結果的に真実に近い情報になるのではないかなと。こういうのはなかなか普及しないけど、すごく興味があることです。