ウェブ企業のお金の稼ぎ方

自分なりに、あー、そうかもと思った。


http://www.unfinishedweb.jp/
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ホームページやそれ周りの欲しい機能群を、テンプレートじゃなく、ばっちりデザイナーつきでつくってくれる。で、そういうソフトウェア開発フィーはタダ。レンタルサーバー利用料、ドメイン料、保守料あわせて月5000円。というお金の取り方。


なるほどなぁ。今はこれが一番いいように思う。
僕はウェブの世界でお金を稼ぐ(会社が自立できる)ようになるモデルはどういうものになるのか、ということを結構考えて、ウォッチしてきた。広告モデルは、Google, Amazon あたりの超大手以外はすぐ頭打ちするだろうと、ずっと思っている。なので、ウェブ企業(SIerではないウェブ屋さん)が安定してお金を稼ぐことはほとんどできないんじゃないか、とちょっと暗いイメージを持っていた。
その点、このモデルはすごくいいなぁと。見た瞬間に、頭の中でもやもやとしていたものがはっきりした。


ソフトは Redmine をはじめとして、Google のおかげ(せい)で、素晴らしいアプリもどんどん無料化の一歩を辿っていて、有料ソフトウェアはつくづく分が悪い。
堅実にお金が稼げているのは、インフラ系。レンタルサーバーだったり、帯域商売だったり、プラットフォームだったりといったあたりは堅い(ように見える)。



インフラ系というか、今はやりの言葉で言うと「サービス」ですね。
SaaS でいうところの「サービス」。この例の場合で言うと IaaS(Infrastructure as a Service)とSaaSが微妙に交じったような漢字だけど、広い意味で言うところのウェブ「サービス」に対して、お金を払う形に落ち着いていくのかなぁと。


この例は BtoB の話だけど、BtoC でもこの公式はもう成り立ってきている。


いわゆるサービスの事例でいえば、Evernote, Remember the Milk, Dropbox,とか。
僕の生活にはかなり密着してしまっているこれらサービスに対しては、お金を払ってもいいなぁと思える。(RTM だけ、有料会員です、現在のところ。でもいきなりこういうサービスが「今日から有料会員だけです」と言いだすと、結構困って、500円くらいだったら払っちゃいそうな気がする。)
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とはいえ「サービス」という言葉だと、ちょっと僕がイメージしているところとずれてしまうかな。IBMが数年前にSaaSを流行らせようと「サービス」という言葉をさかんに流布させていた副作用で、サービスと言うとASPみたいなものを連想してしまうから。


僕がイメージしているのは、「エクスペリエンス」ということになる。
ウェブを使って、自分の生活をちょっと便利に、ちょっと豊かにする。そのエクスペリエンスに対して、対価を払うのは、心理的抵抗が大分なくなってきている。(こういう心理的抵抗を下げるのにはAppStoreも一枚噛んでいると思う。)


ラジオ版 学問ノススメ Special Edition
今日、ラジオ版学問のすゝめで、ねじめ正一さんの話を聴いていたら

スイカは甘いものもあれば、ぜんぜん甘くないものもある。でも、そういうのを含めてスイカなんです。
スイカを買ってきて、「このスイカ甘いかなー」といって割ってみる。
で、ぜんぜん甘くない時もあれば、すごく甘い時もある。
それは実際に割ってみるまでは分からなくって、毎回、ドキドキしながらスイカを楽しむ。
ただ単に食べ物としてでなく、こういうすべての行為を通して「スイカを楽しむ」なんです。

みたいなことをいっていたのだけど、これも僕の考えているエクスペリエンスという感じ。(Suica as a Service。。。orz)



要はウェブ企業のお金の稼ぎ方は、
ウェブを使って生活をちょっと豊かに、ちょっと便利にするようなサービスをつくって、その使用料(エクスペリエンスフィー)をもらう、
ということですな。僕の中では。ちょっとすっきりした。