イノベーションの達人!

仕事が少し忙しかったので、ずいぶん間隔が空いてしまった。


昨日、出張の帰りの新幹線で読み終えたこの本。

イノベーションの達人!―発想する会社をつくる10の人材

イノベーションの達人!―発想する会社をつくる10の人材


今、注目のIDEOの方が書いたこの本。
イノベーションの重要性が世間に広まった後に、おそらく各地で沸き起こっている疑問、
「じゃあどうやったらイノベーションって生まれるのか?」
に、実績ベースで答えた内容。


文章は軽妙だし、読んでいてワクワクする。
(そう、これが一番のキーポイントなのだ。)


イノベーションの実現には、チームプレーが必要であり、
それには10種類の役割があると著者は説く。

  1. 人類学者
  2. 実験者
  3. 花粉の運び手
  4. ハードル選手
  5. コラボレーター
  6. 監督
  7. 経験デザイナー
  8. 舞台装置家
  9. 介護人
  10. 語り部


といった具合だ。
この特質は、おそらく一人の人間が数個兼ねて持っているものだろう。
そのピースを組み合わせて、チームとして全てそろえば面白い仕事ができそうではある。



この本を読んでいて思ったのは、
IDEOをすごいと思う点、うらやましいと思う点はそのアウトプットではないということ。


読んでいる限りは、IDEO社員たちは
「とにかく楽しんで仕事をしている」。


「10の人材」と題して社員にある「役」を与えているのも、
舞台演出的な、仕事を面白くするやり方に思える。
仕事は面白くないものだ。
面白くないことを誰かの代わりにやってあげるからお金をもらえるのだ。というのも真だと思う。
だが、その一見「面白くないこと」をどうやって面白くするか
という発想をもてるかどうかで仕事感は180度変わる。
そう思ったら、こんなに面白いものはないのだ。


この本を通して著者が伝えたかったのは
イノベーションの生み出し方ではなく、
チームメンバーの特質を活かして一つの目標に向けていきいきと働いてもらう環境づくり
ということのような気がする。


その結果として、イノベーションはついてくるのだ。
IDEOにいる人間が十分に優秀であると言う条件があるのかもしれないが)
人はその能力を発揮させてやれば、勝手にすごいアウトプットを出すものだよ、
というような印象。


IDEOコンサルティングを多く行っているようだが、
読んでいて、
IDEOとしてのやり方
ではなく、
IDEOにいる)○○氏のやり方
が前面に出ている。
フレームワークも、標準化も出てこない。
そのプロジェクトに携わったメンバーが、いかに観察をして、自由な発想をして、努力をするか。
それに委ねられた会社だと思った。


これがシリコンバレーにある企業文化なのか。
なんともうらやましい。


自分もそうやって行こうと思う。
ちょっとずつ、ちょっとずつではあるが、
自分が所属するチームが「仕事の楽しさ」を見つけられるような環境づくりをすることが今の目標。