速読


先日 友人に面白い本を薦められた。


レバレッジ・リーディング

レバレッジ・リーディング


本を読むのは投資活動と考える。投資対効果を考えて読書をする。
また、一時に同じ分野の本を何冊も買って、まとめてよむ。
同じ内容について書かれた本の中で、どの本にも出てくる共通項こそ、その分野で重要なことである。


といったような内容。
実はこの本は買っていない。友人から話を聞いたのと、書店で10分くらい立ち読みしただけだ。
3回くらい、全体をぱらぱらっと読んだ。


でも、頭にはかなり強烈に残っている。
正確かどうかはそれほど大事ではない。
「本を読む」という活動の報酬として最も重要な、知識が得られたということだ。



他にもいくつか載っていたが、この読書法には非常に共感する。
学生の頃に、英語の学術論文をひたすら読んでいた頃を思い出したのだ。
最初は全くわけの分からなかった英単語の羅列であったものも、
ちょっとずつ、よく見かける英単語に気づき始め、なんとなく話が分かっていく。


僕の場合は、endothelial cell とか、hepatocyte とか、morphogenesis とか。
そんなキーワードをパッパッと拾い集めて、論文の要旨を理解していく。



それって速読法なのだろう。


北海道の研究所に一人で行っていた頃、周りに学生はいなくて友だちができないので、
土日はただひたすらブックオフで買った本を読んでいた。


その頃に買って、結構真剣に練習していたのがフォトリーディングだ。

あなたもいままでの10倍速く本が読める

あなたもいままでの10倍速く本が読める


本を開いて、目の焦点をわざとずらす。
周辺視野を使って無意識下に情報を落とす。
3Dの絵を見るときと同じ要領だ。
1ページ1,2秒の定期的なペースで本を繰る。
「リーラックス、リーラックス」って言いながら。


このやり方は結局マスターしていないけど、いくつか大事なことを身につけた。
・「目的をもって本を読む」こと。
そうすると、勝手に脳が大事な情報を拾って、しまっておいてくれる。
・本は1ページから順番に読むものではないこと。
目次を見て全体の構成を理解して、あとは読み流す。
必要なところでは、少し立ち止まってじっくり読む。
必要なところは、目的がはっきりしていれば、そうでなくても自分の日頃の興味があれば、
勝手に脳が気づいてくれる。
その小さな信号に気づけるかどうかだ。


これは高校の校長先生が言っていたことだが、
難解な、なかなか頭に入ってこない文章を読むときのコツは、何回も読み流すことだそうだ。
そうすることで徐々に頭にのこってくる。


本をたくさん読むことが目的ではないが、
本屋に行くたびに押しつぶされそうになるくらいの量の本に出会い、
発散しがちな自分の好奇心を満たすために、本を早く読めたらいいなといつも思う。


たまにうまいこと波長が合った本の場合、
本当に20分くらいで全部読めて、数時間かけて読んだ時よりもはっきりと、長く頭に残るのだ。
この辺が自分でコントロールできるようになったら、もっと読書にはまるかもしれない。



「ちなみに周辺視野を使って、目のピントをずらして読む」というやり方は
本を読むときにはほとんどやっていないが、
本を選ぶ時には必ずやっている。


本棚の前で周辺視をして(うまく説明できないが)、
1つの棚を5秒間くらい景色として眺める。
それから指で背表紙をなぞりながら、だーっと指を動かす。
一つ一つの題名は読まないスピードだが、自分の興味のある題名には必ずといっていいほど気づける。
結果的にこうやるのが一番早い。
これもフォトリーディングに載っていたやり方だが、これだけは身につけられたような気がする。