前回、明治期の日本の産業革命期において
当時の人間の時間感覚が大きく変わったということに気づいた
(スピードが大幅に上がる)。


それ以来、「なぜ時間感覚が変わるのだろうか?」ということを考えている。
いまだに納得できる結論に至らず、ここに書くのも何回か頓挫した。


今も納得はしていないが、途中経過として。


その時代の人間の時間感覚が大幅にスピードアップする直接の原因は、
それまで行っていた作業の時間を大幅に短縮する技術
が登場するからだ。


それは、問題ない。


では、なぜそのような技術が生まれるのか?
そのような技術は常日頃から生み出されているとして、なぜそれが採用されるのか?


ある意味、ミームが大きく変わるときなのだから
「スピード」を求めるミームというものの存在が強いという結果論なのだが、
それはなぜなのか、というところが気になるのだ。


「スピード」を求める理由。


仕事の場において、スピードが求められる理由はなんとなくわかる。
「生産性が企業の競争力に直結するから」という教科書的な答えも、
「今の顧客ニーズ(環境)に適応したアウトプットを出すため」というのも、
感覚的にわかる気がする。


でも、なんでこの2つの条件を満たす解が「スピード」なのか。
この辺を自分の中でもっとはっきりさせておく必要がある。


その前に、これからとりあげる「仕事」の定義を整理しておく。
今の仕事って「知識労働」がほとんどだ。
これはブルーカラー的なホワイトカラー。
大卒であれなんであれ、ほとんどの人は「知識作業」を行う労働者だと思う(むろん自分含め)。


この知識作業って、ひたすら情報を作ることだなぁ、
と最近 思うようになった。


プログラマーであればプログラムを書くこと、
データを作る人はそのままだし、
設計を行う人も、結局は判断して情報を決めていく作業者といえる。
たとえば車の設計者といっても、車高は○.○m、幅は○.○m、とか
エンジンは何気筒、、、とやっていくわけだ。


より熟練者とされる詳細な設計部も、
シリンダの径は○.○mm、高さは○.○mmと、
情報を決定していく。
その無数の決定が集まって、車の設計図が出来上がるという感じ。


そうやって考えると、
まったくの門外漢なのであまりに感覚的だが、
デザイナーだって、情報を作る、という定義の前では作業者だ。
色は(xxx,xxx,xxx)の色で。
ここのカーブはこういう感じで
(あとで設計者の人が数値に直すので、デザイナーの人は感覚的にやっていても情報といえる)、とか。


証券会社では、「XXXの株を1000株買う」。
これがアウトプットだ。


「仕事」をこういったように、情報を作る労働の重ね合わせととらえると、
その情報をいかに早く作るか、
ということが、肉体労働で言う「建物をいかに早く作るか」といったものと類似して考えられる。


なので、「仕事」はホワイトカラー、ブルーカラーに関わらず
「なにか」を作る作業という風にとらえることができる。


では、なぜ人は「仕事」にスピードを求めるのか。


(まだ結論が出ないので)つづく。。。