医者とSE

先日会社の先輩がIT系プロジェクトマネジメントのセミナーに参加し、
面白い話をしてくれた。


ある医者と患者の会話

患者:頭が痛いのですが。。。
医者:頭痛薬を出しましょう。

患者:喉も痛いんです。
医者:では咳止め薬を出しましょう。

患者:寒気がして、おなかも痛いんです。。。
医者:じゃあ身体を温める薬と、胃薬も処方しておきますね。

患者:・・・


実際にこんなお医者さんはいないであろうが、
システム開発の現場では、こんなことが現実に行われているのではないか、
というような趣旨の話。


あまり笑えない、耳が痛い話だった。
もちろん望まれる答えは、表層に見える現象から真の問題点を探り当て、
その根本的解決を図る策を提示するということ。



自分としてはそれを目指しているつもりだけど、
実際どこまでできているのだろう。
医者の場合もSEの場合も同じだと思うが、
患者が「この薬が効くんだ」ということを理解(納得)するということが一番大事だ。


医療の現場でも、最近はインターネットのおかげで薬オタクになっている患者がいて
「私は〜〜な症状なので、きっと**な病気だろうから、△△の薬をください」
という患者さんがいて辟易する、というような話を聞いたことがある。


システムの場合も、それに似たことが日常的に起きているなぁーと思う。
やっぱり50代の方も Excel で仕事をする時代、
Googleに慣れ、AJAXFLASH なんかを体感してみると、それが当たり前になるんだろうな。
そういう時に本当の原因を突き止めて、
薬代、手術代といった現実的なことを直視して、
治療内容を考えて、納得させることがSE(ヒト)の価値なんだなぁと思う。



という視点でみると、医者の仕事にホントに似てるなぁ、と。
(僕は業務用ウェブアプリを開発しているので、)
対象は「業務」という、目に見えない、複数の人々の頭の中にある何者か。
なんとなく病んでいて、なんとなく症状がでているが、何が痛いのかはわかっていない。
そんな状況か。


学生時代に研究のために外科医の先生方にイロイロ習いに行っていたので、
身近に接していたけど自分には縁がないなぁ、
と思っていた臨床医のようなことをやっていると思うと感慨深い。


もっとも僕が習っていたのは、外科系に属する研究。
実際に開けてみて、実体を見て、切ってみて、ということをやっていたので(ヒトはやってません)
問診タイプではないかもしれない。。。
(組織工学/細胞生物学でした。)



今やっているポジションは、問診というよりは
もうちょっと内側というか、診断済みの患者に対して、
問診しながら薬を考えつつ調合しているという印象だけど、
もうちょっと前の段階から、患者(たち)の声を聞いて、診ていきたい(いくべきだ)なと思った。


(環境をつくってあげて、(細胞たちが)どう育つかを観察する
というのが本業だったので、それが一番やりたいけど。)

※↓むかしの研究テーマ(なつかしくなった)